2010年7月22日木曜日

ミシェル・クワン・トロフィーを逃す。

毎年おなじみアメリカのスケート雑誌Skating magazineの
スケーター・オブ・ザ・イヤー(ミシェル・クワン・トロフィー)、
ライサチェックは2位となりました。
1位に選ばれたのはジョニー・ウィアーです。(詳細はこちら

ちなみに昨年の1位はライサチェック。
オリンピックでの結果やDWTSでの活躍を考慮すると
今年も普通に1位になれるだろうと思って油断していたら
あっさりジョニーに持っていかれてライサイド大ショック。
何がショックかって、エンジェルズの強さとライサイドの弱さが
ここで浮き彫りになってしまったから(苦笑)

もっとも殆どのライサイドは先日のESPYアワードの方に集中して
やきもきしていただろうし、多分本人もそうだったかと。
このミシェル・クワン・トロフィー自体がスケートファン以外は
殆ど知られていないマイナーなもので、DWTS以降のライサイドが
この存在を忘れて投票を逃したり、それ自体を知らなくても
それほど不自然なことではないとは思いますが・・・。
しかし、ジョニーほどの人気がなくたって一応は金メダリストなのに
こんなオチが待っていようとは、さすがジョニー。
エヴァンさんもさすが、期待を裏切らない(笑)

まー、スケートファンとしては何とも言い難い結果ですが
ライサイドとしては笑うしかないっスね。
この結果を受けて、エヴァンさん本人が悔しいと思って
競技に戻ってくれたらこれ以上のことはないわけだし。
ひとまずジョニーとエンジェルズの力を思い知らされた、
そんな朝のひとときでした。
ライサイドはもっと頑張ろうね。私もだけどね!



ジョニーの話題が出たついでに新書館「ジョニー・ウィアー」を
読んだ感想も一応書いておこうと思います。
追記にしたのはここから暴言が続くと予想されるから。
(以下、夏の暑さでイライラしている方は読まなくて結構。
好意的でないコメントに関しては通常通り受け付けません)


まず、この本のメインであろう写真について。
表紙を飾ったM・A・Cコラボ写真以外はWFSで既出のものが多くて
寄せ集めた感は否めない。コアなファンには物足りないのでは?
この本の殆どの文章を書いている田村明子さんご本人が
「この撮影会にメディアで招待されたのは私だけ」と自慢している
M・A・Cとのコラボ写真については、まあ・・・刺激強いね(笑)
これらの写真が、この本以外でどう使われるのかはわからないけど
せっかくだからアメリカや全世界のエンジェルが共有できるように
有効的かつ効果的に使われることを祈っときます。

記事については、ジョニーのこれまでの人生を振り返るものについては
ファンであれば殆どが知っている内容かと思われます。
別にファンではない私でさえ知ってることばっかりだったから(笑)。
これについてはオリンピック後にファンになった人のための
ビギナー用コンテンツとしての役割を果たしているのでしょう。

個人的に興味深いと思ったのは母親のパティさんと
エージェントのタラさんのインタビュー。
(タラさんて、あろうことかうちの妹のHNと同じ名前なんですね。
どうでもいいけどうちの妹の「たら」は魚の鱈が由来なんだけどね)
お父さんや弟さんの話とか、プライベートなときのジョニーの話など
近しい人でなければわからない話題がたくさんありました。
これはとても読み応えがあって興味深いものと思います。

ジョニー本人の田村さんによるインタビューに関しては、
まあ・・・(苦笑)、大体予想してた内容だったし
ファン以外にとってはこれといって興味深い部分はなかったです。
田村さんの十八番のインマンのメールについての内容もあったけど
ジョニーは五輪の4回転騒動(あえて論争とは言わない)で
ワリを食った人物でも、得をした人物でもないので
インマンのメールが北米選手を有利にしたと思うかという質問に
「僕には当てはまらなかった」と答えているのは少し心強い。
結果的に彼はその質問に同意してはいるのだけど。

ジョニーのライサチェックに対するコメントもありましたが
「そりゃジョニーはそう言うよな」って感じですね(笑)。
「五輪の結果にどうしても納得いかない」という点で
ジョニーと田村さんは意見が一致するわけだから
(もっともジョニーは自分の結果が腑に落ちないのであって
田村さんはその不満をまんまと利用したわけですが)
彼女はジョニーから引き出したい言葉がもらえて喜んでるでしょう。
この件については「アンタの主張したいことはよくわかったし
それを餌に五輪の結果に不満なスケートファンを味方にした上で
ジョニーや他のスケーターを利用して金儲けしたいならすればいい、
でもエヴァンの前には永遠に現れんなよ、このクソ女が!」
・・・ってことで簡単に片づけておきます(←いいのか)


一方、妹は数多くのジョニー写真でしりぽ(おしりポイント)を
チャージして眼福に浸っているようです。
田村さんの記事については「物足りないんだよねー」の一点張りで
「絶対エンジェルに遠慮してると思うんだよねー」とも(苦笑)。
さすがにエンジェルとはいえ、賞賛と同情だけの内容は
どこか物足りなく感じるのでしょうかね?

確かにこの本からは「なぜジョニーが五輪で6位に終わったか」という
論理的で明確な理由や、それを解明しようという意思が伝わってこない。
ひたすら結果について嘆いて「それでもジョニーは素晴らしい」と
強引に終わらせている感があり、ファンの方も本人も
それで全て腑に落ちるかといえば多分ノーなのでしょう。
だけど彼らが一番知りたいのはそこだと思うんですよね。
「なぜ負けたか」っていうことを冷静に分析して、
次につなげることを考えなきゃいけない時期なわけで
「いくら称賛されても実績が伴わなきゃね・・・」っていう
葛藤はこれからもつきまとってくるでしょう。
ジャッジや連盟への不満をインタビューでぶちまけることで
ファンへ同情を買ってもらうことは容易いけれど
それじゃ根本的な解決にはならないしリスクも大きい。
彼と彼のチームが良い方向に向かうためには
何が敗因となったのか、これまでのやり方に問題がなかったのか、
そういうところから突き詰めるべきだと思うし、
周囲やファン、記者も単に褒めちぎってあやしているだけでは
本人のためにはあまりならないのかな、と。
その点でこの本は深みがないよなーという感じです。
ま、ファンにとってはそんなことはどうでもいいのかな。


以上、ざっと感想&暴言でした。


朝から胸くそ悪くなるような文章で申し訳ない。
ここまで読んでくれてありがとう。


で、これを機に(?)通常営業に戻ろうかなと思い始めてるので
今後ともよろしくお願いします。短い休暇だったぜ。

6 件のコメント:

yumi さんのコメント...

この本はジョニーのファンブックみたいなものなんでエンジェルを意識するのはまっとうなことかと。「これまでのやり方に問題がなかったのか」考察するのは、違う場やジョニーサイドがやるべきであって、ここでは「褒めちぎってあやして」もいいんじゃないですかね。あえてネガティブな考察記事があっても、場違い感があるような。
管理人さんのコメントを拝読していると、ジョニーの敗因や問題を見抜いておられるようで、すごいなと思いました。

匿名 さんのコメント...

私はローズ様の意見に近かったですね。
ジョニーがどうなっても、どういう結果になっても、どういう道に進んでも全てを受け入れてくれる場所があるというのは
アスリートにとっても、アーティストにとっても良くないと思うんですよ。
ジョニーは最大の目標が自己満足で終わっていいようなスケーターじゃないと思うだけに勿体無いと思います。
実際もっと勝利するためにできることはあったと思ってしまうんですよね。
(たとえば禁煙するだけでも体力を保ちプログラムの密度を濃くすることはできたと思うし)
閉鎖されたお花畑の中で美しく咲ければそれでいいっていうのは違うだろうと。
たとえ風雪に晒され痛めつけられてでもちゃんとした品評会で賞を狙うべきだろうと。
そしてジョニーはそれに耐えられない程度の花じゃないだろうと。

実際五輪での結果はもし総合5位だったなら実力相応かな…という感じです。
いたずらに結果がおかしい、ジョニーは被害者と主張するのは他の選手に対して失礼でもありますよね。
もし本当にスケーターとしてのジョニーに対する敬意があるなら多少睨まれてでも書いておくべきことはあったと思うのですが…
本当にジョニーは五輪5位、ワールド銅で終わっていいようなスケーターじゃないって思ってるエンジェル達は
長年この競技を見守ってきた人の勝つためにどうすべきかという意見は聞きたかったと思いますよ。
CDやセレブパーティーで浮かれるファンには甘やかし褒め殺しでいいと思いますが。

まあ、田村さんのお仕事は最近特に誠意に欠けるので彼女と価値観が近くないと見ててイラっとしてしまう(笑)
本当に北米という要素が絡むと駄目ですねこの人…

もしかしてルールと採点傾向を理解していないのでは…?
それともどうせルール真面目に勉強する人なんて居ないと思って読者舐めてますか?
と思うことが先シーズンはありまくりでした(苦笑)
Numberにスケーティング技術はジョニーの方が上みたいなこと書いてたのには驚きましたね。
確かにいろいろとジョニーの方がライサチェクより優れているところはありますがSSは無いですよ…。
優雅で美しいけれどあのスピードの無さと移動距離の短さはちょっと目立ってしまう。
一緒に例に出してたのも既に引退したバトルですし優雅=SS高難度だと思わせようとしてたのでしょうか?
本当にある程度情報や印象を操作できてしまう立場だけに嫌ですよねぇ…。

ただの愚痴すいませんでした(汗)

Askarose さんのコメント...

yumiさま:

コメントありがとうございます。ジョニーファンブック・・・確かにそういう趣向のものなのでしょうね。純粋に彼のファンで、スケートはどうあれ彼が好きだという人には良いものだったと思います。ただこれがライサチェックのファンブックのような主旨でこれと似たようなものが作られたとしたら(想像もつきませんが 笑)・・・個人的に、こんなにおべっかばっかりの本はファンとしてあまり望まないというのが本音でしょうかね。。。まあ人それぞれなのでしょうが、私は幾らファンでも、贔屓の選手をただ褒めちぎるだけの本はちょっと、という印象を持ちます。
私は別にジョニーの敗因を正確に分析しているわけではありませんが、これまでの彼の言動、戦術に関しては疑問がたくさんあります。ブログには書きませんが・・・同じような疑問を抱いている人もいるのだろうな、と何となく感じています。

Askarose さんのコメント...

匿名の方へ:

コメントありがとうございます。少数派であろう私の意見に共感していただいて嬉しいです。「ジョニーは自己満足で終わっていいようなスケーターじゃない」、本当にその通りで、やはり私も彼にはまだ勝つためにできることがあっただろうと思っています。それが何だったのか・・・彼自身も知りたいだろうし、真にスケートが好きで彼のことを応援している方にとっても知るべきことだと思います。ファンにとってはまだ語り無くないことかもしれませんが。。。結局、今シーズンは試合に出場しませんしね。。。

田村さんの記事には今年は本当に驚かされていますが(笑)Numberに書かれたスケーティング技術については「いつの時代の話じゃっ!」というツッコミを入れたいです。トリノのとき、確かにスケーティング技術といえばジョニーやジェフの名前が上がったでしょう。でも今は例に出すならパトリックとかアボット君、小塚君の方が適任でしょうし、エヴァンだってずいぶん向上しましたよね。個人的にはエヴァンはジョニーのスケーティング技術にこの四年で追いついたと思っていたので、田村さんの時間が止まったかのような書き方には閉口でした。これが素でそう思い込んでいるのか、わざとなのか判断しづらいのがまた困りますよね・・・(苦笑)単にジョニーの方が優れていると書きたいだけなのかもしれないですが、実績はエヴァンの方が上ですからね、皮肉なことに。

遅い返信でしたがコメントありがとうございました!

Reppoko さんのコメント...

ローズ様

初めまして、こんにちは!

今頃、この記事に書き込みするのはどうかとも思いましたが、ローズ様のご意見が貴重であると思えたのと、ありそうでこういうことをきちんとおっしゃって下さる方(特にジョニー関連のブログ)がいないので、ご挨拶申し上げようと思いました。

実は、バンクーバーオリンピックで、ジョニー・ウィアー選手の渾身の演技に魅了されてフィギュアスケートファンになった新参者です。しかしながら、それだからこそ、ジョニー選手が匿名さんがおっしゃるように自己満足で終わっていい選手ではないと思うのです。また、五輪は、他選手との比較という順位という意味では、6位で妥当と思っています。

競技者である以上、敗因分析というのは、必須であると思います。そして、ファンもそれを知りたいと思います。しかしながら、この本にはそれが明らかになっていないばかりか、論点が矛盾、はぐらかされていました。特に、技術にまだまだ知識のないものとしては、ショート、フリー両方でのフリップのエッジエラーコールは妥当であったか、またそうだとすればどうして矯正できなかったか、プログラムに組んで来たのか、またプログラム構成、例えば、3A二本とも前半で、どうして後半に一本回せなかったのか。。樋口さんのあとがきがこの本で唯一もっとも納得いったように、「あと10cm伸びるスケーティングで随分印象が変わる」と共に、徹底的な敗因分析がしたいのです。

しかし、結局の所、「連盟がサポートしなかった」「sexialityの問題」はては「政治的なジャッジ」まで、どれが事実でどこからが本人、周囲の思い込みなのか分からないところに問題を帰着させています。そしていつも必ず「自分を貫いた」。。。いつも思うのですが、ジョニーの「自分」は何なのでしょう?

初めての書き込みなのに、随分辛辣にずけずけと書いてしまいましたが。。。ローズ様や、コメントなさっている匿名様のジョニーの対する思いやりに感激致しまして、カキコミさせて頂きました。

勝つためにできることがあっただろうと思っています。それが何だったのか・・・ファンとして、本当に知りたい。そして、それに乗り越え真に蘇ったジョニー・ウィアーを観たいと思うのです。

エヴァン選手のブログなのに、ジョニーのことばかりですみませんでした。フィギュアスケートの演技もさることながら、「闘っている人」というのに興味がありまして、エヴァン選手のこともいろいろ知りたいと思っています。好きな選手もさることながら、素晴らしかった演技すべてに、惜しみない拍手を送りたいと思っています。

今後も楽しみにお邪魔します。どうぞよろしくお願い致します。

Askarose さんのコメント...

Reppokoさま:

どうも初めまして。こんな辺鄙なブログへようこそ、そして少し古い記事ですがコメントありがとうございました!

私は特にジョニー関係のサイトは見ていないので、ファンの方々がどういう意見を持っているのかほとんど知らないのですが、私のような意見を言う人はあまり見当たらないようですね・・・まあ、そうですよね(苦笑)

バンクーバーでジョニーのファンになられたとのこと、なるほど、それであれば競技や結果について疑問を感じることも多いですよね。トリノからの男子フィギュアファンである私にとっても、未だにわからないところはありますし。そしてトリノで4位に終わった、女子シングルの村主章枝さんになぜメダルがなかったのか、やはり当時色々と敗因を考えたことを思い出しました。

この本は基本的にファンブックみたいなものですから、批判的なコメントなどはあえて除外して、彼そのものをファンが一緒に楽しむという主旨なのでしょう。敗因について明確にしないのも、ファンだからこそ目をつぶりたい部分もあるでしょうし、後で妹に聞いたら「敗因なんて知りたくない。全部知ったら凹むもん」なんて言ってました(苦笑)。基本的にファンなんてそんなもんかもしれません。

が、私は贔屓のエヴァンにしろ、負けたときは「どうすれば勝てたんだ」と延々と考えてるようなタイプなので(笑)、今回このようなコメントをしました。競技者としてなぜ負けたか、彼のチーム側でちゃんと分析されてるかどうか、それ自体もぼかされてる印象を受けたので。。。

ジョニーにとって、「連盟のサポートが十分じゃなかった」「エヴァンは政治的な駆け引きに長けていた」と発言するのは、正直彼の印象を悪くするのでやめた方がいいと思うのです。個人的には、連盟に十分なサポートをしてもらえるように前からきちんと関係を築いていくのも戦略のうちだと思いますし。お気に入りのロシアのジャケットだって、そりゃアメリカ選手団の中で着ていてたら驚かれるでしょうし(学生時代の運動会で、他のクラスのゼッケンを着ているようなものですよね)。それがどうしてダメなのか理解できない、個性と常識を若干ごちゃまぜにしている彼の性格を、もう少し若いうちにどうにかできなかったのかって思います。自分でそういう不利になるようなことをしておいて、他の選手への厚いサポートに嫉妬するのはちょっといただけないかな、と。。。少なくとも日本にこういう選手がいたら、間違いなく叩かれるでしょう。他国の選手だからこそ日本人に受け入れられているところはあると思います(日本人は海外の人の派手な言動は好意的に受け入れる民族ですし)。

今後、ジョニーが競技者としてどう戻ってくるのか・・・。まずバンクーバーの章を終えて一段落ですが、これからどう改革して戻ってくるのかは楽しみです。技術的なところをさらに修正して、さらに高みを目指してくるのかな、もしそれが実現したらすごいんだろうな、と。想像が膨らみますよね!

個人的に、エヴァンが競技者であればジョニーも競技者であるものと思っています(一蓮托生かw)。いつかまた試合でガチンコ対決することもあるかもしれませんし、それはそれで・・・どう火花を散らすか、ファンは楽しみです。

基本的にエヴァンがメインの、だらだらしたスケート関係のブログですが今後もどうぞ遊びに来てくださいませ!

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