2011年11月16日水曜日

The bottom line: Lysacek, U.S. Skating both losing in dispute between them (2011/10/28) その3

こんにちは、ひよどりです。

3度に分けて掲載した、シカゴトリビューンのフィリップ・ハーシュ氏の記事の最後の部分です。
その1)、(その2)に続けてお読みください。

今回訳した部分では、現在の米国フィギュア界の話題性と、今後、連盟とエヴァンさんが取るべき道について語っています。
かなり辛辣にあっちこっちをぶった切ってるので、賛否ありそうです。
前回までは比較的エヴァンさんに優しい論調でしたが、この辛辣さがこそハーシュ氏の真骨頂なのかもしれません。

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Among the current U.S. entries on the Grand Prix circuit, just one, Davis and White, has a resume approaching Lysacek's. Only one other -- ice dancers Maia and Alex Shibutani -- ever has won a medal at the senior world championships.

最近のグランプリシリーズの米国選手のエントリーの中では、ただ一組、デイヴィス&ホワイトがライサチェクに近い経歴を持っている。他にはもう一組--アイスダンサーのマイア&アレックス・シブタニ--がシニア世界選手権のメダルを勝ち取った。

Could Czisny, Mirai Nagasu, Rachael Flatt or Jeremy Abbott -- all U.S. champions -- become a world medalist in the next couple years? No one would bet on it, even if one of the women could make the podium this season, when reigning Olympic champion Yuna Kim of South Korea will not compete, and reigning world champion MIki Ando of Japan has said she may be finished with Olympic-style skating.

シズニー、ミライ・ナガス、レイチェル・フラット、そしてジェレミー・アボット--全て全米チャンピオンだが--彼らはこれから2、3年内に世界選手権のメダリストになれるだろうか? 誰もそれには賭けないだろう。たとえ、韓国の五輪チャンピオンのキム・ヨナが競技に参加せず、現世界チャンピオンの日本の安藤美姫がオリンピックスタイルのスケートから引退するかもしれないと言った今シーズン、女子のうち一人が表彰台に上がれたとしても。

Beyond Davis and White, whose free dance to music from the Strauss' operatta "Die Fledermaus" looks like an instant classic, the big deal in U.S. skating so far this season has been Brandon Mroz's landing a quadruple lutz jump in a minor event last month.

ディヴィス&ホワイト、彼らのシュトラウスのオペレッタ「こうもり」の音楽を使ったフリーダンスはインスタントクラシックに似ているのだが、今までのところ今季の米国フィギュアスケート連盟にとって、彼らを超える重大事件と言えば、ブランドン・ムロズが先月小さな大会で四回転ルッツを着氷したことだ。

After reviewing film and documentation, the International Skating Union announced Wednesday that Mroz will go into the record books as the first to have done the quad lutz successfully in competition.

フィルムと書類を精査したのち、国際スケート連盟は水曜日に、ムロズを競技における四回転ルッツの初成功者として記録することを発表した。

That's "inside baseball" to anyone but the sport's passionate followers. Mroz needs to become known for something other than a jump only a couple hundred people witnessed. After finishing second in his senior national debut three years ago, he fell to 6th and 7th the past two seasons.

それはスポーツの熱心なファン以外の者にとっては「内輪ネタ」である。ムロズは二、三百人の観衆だけが目撃したジャンプ以上のことで知られるようになる必要がある。彼は3年前に全米選手権のシニアの部を2位で終えたあと、過去2シーズン、6位と7位に転落した。

And what do the previous five paragraphs have to do with Lysacek?

そして前述した5つの段落の内容は、ライサチェクにどう関係するのか?

They are evidence that U.S. skating needs him as a competitor and as an athlete with a high enough profile to reach beyond the sport's hard-core audience.

それは、米国フィギュアスケート連盟が、彼を競技者として、そしてスポーツのコアな観衆以外にも十分に注目を浴びるアスリートとして必要とする証拠である。

But he needs the spotlight of competition as well, having reached the point when the post-Olympic glow is fading, when his brand will be refreshed and his visibility increased by the attempt to get to the 2014 Olympics he has publicly vowed to make.

しかし、彼もまた同様に競技のスポットライトを必要としている。五輪後の輝きが色あせ、ブランドをリフレッシュする時期に達したので、公式に宣言した2014年のオリンピック出場計画によって、彼の認知度は増大した。

When Lysacek reached his fame apogee by finishing second on Dancing With the Stars just after he won the 2010 gold, I asked marketing consultant Marc Ganis of SportsCorp whether the skater would be worth more to potential sponsors if he kept competing with an eye on the next Olympics.

ライサチェクが2010年に金メダルを獲得した直後、ダンシング・ウィズ・ザ・スターズを2位で終えることによって名声が頂点に達した時、私はスポーツコープ社のマーケティングコンサルタント、マーク・ギャニスに、もし彼が次のオリンピックを念頭に置いて競技を続けるのなら、このスケーターは潜在的なスポンサーにとって、さらに価値が出るかどうか訊ねた。

"Without question," Ganis replied. "Sponsors can then feel they have time to build `equity' in him going towards the next Olympics, as a number did with Michael Phelps."

「聞くまでもないね」ギャニスは答えた。「スポンサーは、彼らが次の五輪を目指している時、‘資産’を生み出す時間を持ってると感じることができるんだ、多くの者がマイケル・フェルプスに感じたようにね」

For U.S. Figure Skating and its broadcast partner, NBC, the potential for a rematch between the 2006 (Evgeny Plushenko) and 2010 Olympic champions on the Russian's home soil at the 2014 Olympics is an easily exploited story line.

米国フィギュアスケート連盟と放送パートナーであるNBCにとって 2006年(エフゲニー・プルシェンコ)と2010年の五輪チャンピオンが、ロシア人の故郷ソチで開催される2014年のオリンピックで再対決する可能性は、たやすく利用できる筋書きだ。

So here's the bottom line: The impasse between Lysacek and the federation is hurting both.

ゆえに結論: ライサチェクと連盟の間の行き詰まりは、双方に損害を与えている。

(おわり)

8 件のコメント:

casaverde さんのコメント...

ひよどりさま

翻訳ありがとうございました。
こちらのブログの良いところの一つは、原文と訳文を並べていただけるところだと思っていましたので、同じ形式でお書きいただき、ありがとうございます。ウェブの記事には時期が来ると、読めなくなってしまうものもあり、こういう形で掲載しておいていただけるのは本当にありがたいです。
この記事はとても細かいことが書いてあり、日本語で読めるのはとても助かります。ハーシュ記者は時には非常に辛辣なことも書きますが、10年以上もエヴァンを取材しているだけあって、ある種の信頼関係というか、彼だけが話を聞いたり、書くことができる部分もあるのでしょうね。
FOIへの出演を交渉の道具にされているとしたら、日本のファンにとってはつらいことです。そのことをアメリカ人のファンの方に言ったら、「彼は自分が行きたくて行ったのだから。」と慰められましたが。
ELFFでスケアメの時に連盟の幹部と話したという人の書き込みがありましたが、連盟側は強化費に一切の上乗せはしたくないというような話だったようです。彼のほうは、もしかして「自分が犠牲になってもフィギュアスケート選手の地位向上のため頑張る。」などということを考えている、あるいはエージェントに説得されているのでは、などと妄想してしまいますが、本人側からは何の情報もないので、なんともやりきれない感じです。
ここのところでシカゴに行くとつぶやいていましたので、ハーシュ記者がまた取材してくれないかな、なんて思っています。
なんとかお互いに妥協点を見つけてほしいものです。

ひよどり さんのコメント...

casaverde様
コメントありがとうございます。
ローズ様のブログの原文併記スタイルは、私もとても助かっています。
五輪の頃の記事でも、もう読めないものがたくさんありますものね。
今回私が原文を併記したのは、ローズ様のスタイルを踏襲したいということの他に、私が訳に自信がないという面も大きいです。
原文が読める方はどうぞそちらを重点的に読んでくださいというお願いの意味も込めているんです(苦笑)

ハーシュ氏は辛辣ではありますがある意味裏表がないのかなという感じがしますね。
GPSアサイン発表後、エヴァンさんが受けた数少ないインタビューの一つが氏のインタビューですものね。
同様に辛辣なことは言われてもハミルトン氏とも信頼関係があるのだろうと思っています。

連盟幹部の興味深い話もありがとうございます。
全くの想像になりますが、強化費に一切の上乗せはしないというのが現在の連盟の方針だとすると、懐事情の問題の他に規律の意味もあるのかなという気もしますね。そのあたりに何か感情的なしこりが影響しているのかもと思うのはうがち過ぎてしょうか。
ハーシュ氏の取材で新しい情報が出るといいですね。
エヴァンさんがシカゴの実家に2、3日滞在するということは、全米出場通知の締め切りである11月23日のサンクスギビングデイ付近は帰省しないのかしら、だったらLAから出場のアナウンスを出してくれると嬉しいのだけど、などと想像しています。

minamin さんのコメント...

規定があいまいなんですかね~
まぁ、日本も格付けで金額は決まっているものの、その格付け方法があいまいな時もありますけどね。

本当にありがとうございます。
こんなにきちんて訳して頂いて、
諸事情沢山わかりました。
心から感謝します。

ハーシュ氏のインタビューはどこにもこびない感じがして私は好きですね。
続きがあるといいのですが。

本当にありがとうございました。

ひよどり さんのコメント...

minamin様
拙訳を読んでいただいてありがとうございました。
ハーシュ氏のインタビューは辛辣な部分もありますが、今回の記事では私は溜飲が下がった部分もありますね。
特に移籍のことや、CAAのサイトにエヴァンさんが載っていないことなど、私が気になった部分もズバリ言ってくれたのはありがたかったです。

いつになるかはわかりませんが、エヴァンさんが競技を引退してからでもいいから、「現役時代は言えなかった話」でも取材してくれるといいなあ、なんて勝手な妄想をしています。

casaverde さんのコメント...

本日付のシカゴトリビューンの記事で、全米には出場しないとの報道がありました。
Lysacek won't enter U.S. Championships
http://www.chicagotribune.com/sports/globetrotting/chi-lysacek-wont-enter-us-championships-20111122,0,5599104.column
とても残念です。とりあえず本人からの正式なコメントや、詳しい理由説明を待ちたいと思いますが…。

ひよどり さんのコメント...

casaverde様
私も先程その記事を見ました。
非常にがっくりと来ています。
出場料以外の問題も示唆されてますね。

親記事で投稿しようかと思ったけど、ハーシュさんの記事はもう少しアップデートされそうだからもうちょっと待ったほうがいいのかな。

匿名 さんのコメント...

非常にショックです。一番いたたまれないのは、ご本人だと思いますが。もういい加減に合意に向けて調整されてるだろうと信じてましたが。残念です・・・

記事によれば、全米不参加による、SOIチームへの参加も無さそうですね。これは個人的には(あくまで個人的な意見です)賛成なのですが。

不本意な気持ちをアイスショー出演で気を紛らわすことなく、今回の事態の悔しさを温存しながら、それをモチベーションへと転化させて、試合という舞台に復帰するんだという強い気持ちを持って、今後のハードなトレーニングに臨んで欲しいです。

彼の言葉、"I'm definitely still looking at Sochi as the goal, and I will continue to train as much as possible."を信じて、復帰のその日を待ちたいです。

ひよどり さんのコメント...

Misty様
本人もこの決定がどれだけ批判されるかわかっていることでしょうね。
できれば公式サイトなどで本人の言葉で説明でもあれば…と思うのですが、今までの様子からそれも期待できそうにないですよね。
彼が今まで見せてくれたトレーニングや競技に対する熱意を信じて待つしかないのでしょうね。

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