(この記事は2009年4月22日に書いています)
国別対抗戦、男子FSの感想をぼちぼちと。
○ロシア コンスタンティン・メンショフ
いきなりクワド決めてきたー!!
しかも二度目もクワドだったー!!
そーいやSPでも挑んでたっけ。
さすがオッサン世代はチャレンジ精神が旺盛、というか
旧採点時代を生きてきただけあるなあ。
でも中盤でダレてしまって残念。
まさに今の若手とは反対の路線へと歩んでいる彼のような選手が
再び報われるような時代は訪れるのだろうかと少し寂しくもあり。
しかし一番手からクワドの成功が見られるとは思ってなかったから
ちょっと嬉しかったんだぜ。がんばれオッサン世代!!
あとつなぎとか、スピンとかにもうちょっと力を入れてくれると嬉しい。
○中国 チャオ・ヤン
えっ、いきなりノーミス!? すごいすごい!!
目だったミスがないことにエキサイトした私は
思わずスタオベしてしまいました。
一つ一つのジャンプがきれいに決まっていて
見ていて気持ちがよかったです。
でもあんまり得点出ないなあと思ったら
トリプルアクセル入ってないんですね、彼は。
それは今後のお楽しみということで、
今の彼の段階でやれるだけのことはやったと思うし
思わぬ序盤の好演技に喜んでしまいました。
わりと素直なスケートをするタイプなので
演技構成点とかこれからぐんぐん伸びそうです。
楽しみな選手が一人増えたぜ!
ちなみに彼はA字スピナーです(だからどうした)
○日本 タカヒコヅカ じゃなくて タカヒコ・コヅカ
君をこんな滑走順で見ることになるなんて・・・!
(という選手がこの後続くのだが)
6分間練習からどうにも噛みあってない様子で
明らかに本調子じゃないんだなーと心配になってしまった。
表情も終始不安そうで。今シーズン通して一番不安定だったかも。
序盤のアクセルはどうにか、でもコンビネーションにはできず。
中盤では彼のあの端正なスケートが楽しめたんですけど
後半のジャンプでまた少し崩れ。アクセルもすっぽ抜け。むむ・・・。
それでも、あの素敵なプログラム「ロミオ」の良さが
なくなったわけではなかったですよ!
(あ、でもあのロミオだと多分ジュリエットに振られそう 苦笑)
調子の悪いときの彼はステップだけ見ていたいと
馬鹿なことを考えてしまったフリーでした。
でもつなぎとか、もっと点数出ていいんじゃないかなー・・・。
ま、今日はA字スピン見れたからいいやー! ←それなのか!?
○カナダ パトリック・チャン
君をこんな滑走順で見ることになるなんて・・・!(パート2)
6分間練習のときからアクセルばっかりやってました。
その度に転んだり、すっぽ抜けたりで
「あー、今日もダメなパトちゃんかもしれない」と何となく感じた。
出だしのアクセルがダブルだったから「あーあ」と思っていたら
二度目のアクセルまでは良い流れでいきました。
で、二度目のアクセルで派手に(しかも我々の目の前で)転倒して
その後は何事もなかったかのように、いつも通りの良いところを
見せてくれた。カナダの選手は失敗を忘れさせるのがうまいな。
でも最後のアクセルも結局ダブル。むー。
あとSPのときも思ったけど、生で見るとそれほど派手でも
華やかでもないなっていうのが全体的な彼の印象ですね。
よく見るとすごく複雑なフットワークで、音楽にも乗って、
スピードもあって、よい表現をしてるんだけど、
「これ! この瞬間!!」っていうのを個人的にそんなに感じなかった。
見せ方の違い? プログラムの構成上の問題? 好みの問題?
で、トリプルアクセルがなくてもあんなに演技構成点が出ちゃうところに
チーム・オッサンファンとしてはジェラシーを感じる(笑)
そりゃあ、たしかにつなぎは巧いけど。密度も濃いけど。
実際、タカヒコヅカとそれほど差がつくものなのか??
ここは専門家じゃないからわからないけどさ。
あと、どうでもいいけど君ってワールドの銀メダリストだよね。
SPの失敗でこんな滑走順になっちゃうのって、切なくないの?(苦笑)
○中国 ゴ・カリョウ
FSではクワドに挑むのかと思いきや、やらなかった。
序盤、中盤とジャンプを手堅くまとめてきて
今日の中国勢はがんばってるなあと思ったら最後のルッツで転倒。惜しい!
でも、これだけジャンプを成功してるんだからもっと点数が出そうだと
思ったんですけど、スピンでのレベルの低さであまりあがらず。
演技構成点も低くつけられ・・・。むう。
チャオ・ヤンは確かに年齢のわりに良かったとはいえ
年下の選手に演技構成点で差をつけられるってつらいだろうなと思う。
とりあえず、いつかクワドルッツ見せてね!と言いたい。
○フランス フローラン・アモディオ
まさかの第一グループ最終滑走(苦笑)
フランスの明るい兄さんや姉さんに可愛がられているアモディオ君は
4Sにチャレンジしていたとは気づかなかった。
てっきり普通にコケたのかと(ごめん・・・!)
結果的に二度の転倒があり、技術点はかなり下げられちゃったけど
演技構成点との合計でメンショフ兄さんの上につくあたり
新しい世代を感じてしまいました。
でもホントに、若いのにスケートはスイスイ滑りますね。
SPでも書いたけど、ラテン系の良いノリを持ってるので
今後どうなっていくか楽しみな選手です。
○カナダ ヴォーン・チピアー
ここから後半グループ。
いきなり高いアクセルを決め、序盤は非常に良い感じで
ポンポン跳んでました。今日のヴォーンはイケるか!?
そう思った矢先、ループですっぽ抜け、サルコウもすっぽ抜け。
でも目立ったミスはそのくらいで、それ以外は良かったと思う。
この人はステップでもっと魅せられないだろうかと思うけども
ジャンプが持ち味ならばそれに集中した方がやりやすいのかな。
運動能力がすごく高そうなだけに、そういうところが惜しい。
そのあたりはオッサン世代特有の不器用さなんですかね。
ああでも、予想外にタカヒコヅカやパトちゃんより後に滑っても
遜色ない勢いが感じられて良かったです。
○アメリカ ジェレミー・アボット
楽しみだった彼の今季フリー。
序盤のジャンプは普通に決まったなあと思ったらクワドでしたか。
それはそれは、気づかなくてゴメン(汗)
会場じゃ跳んだ場所によっちゃ全然わからないね(苦笑)
で、クワドは決まったけどアクセルが全然決まらない。
これでもかというくらいすっぽ抜け(涙)最後には転倒。
あー、クワドができることを証明しても
他のジャンプもちゃんとやらないことには点が出ないわー。
それでも、あれほどのアクセルの失敗を見ても
このプログラムは名作でした。
彼はダンスの経験上、タンゴとか本来、相手がいるはずのダンスは
非常に表現が巧みだなと思うのですよ。
一緒に踊ってる相手の姿が見えてくるというか・・・。
そんなに力強くも、エネルギッシュでもないんだけど
やさしく女性をリードしているように見えるんです、個人的に。
それはパトちゃんにはない表現だなと思うし
何だかんだいってオッサン世代だからできる(?)表現かと。
そういうわけで、とっても良いプログラムだっただけに
シングルアクセル2回+ダウングレードアクセルの転倒は
少し悲しくなりました。まあ、そんな日もあるよね。
きっとアメリカチームがうるさくて自分に集中できなかったのね、
ということで(苦笑)
○ロシア セルゲイ・ヴォロノフ
彼のタンゴも結構好きなんですよ。ロシア男って色気があるよね。
がんばって作った感じのある雰囲気ではなく、
自然とかもし出される色気っていうかね・・・。
で、彼もクワドやってくれました。最近、SPとFS両方で入れる選手が
少なくなってきてる中、彼の存在はちょっと嬉しい。
でも彼の場合はクワドがうまくいっても他でミスすることが多くて
今回もそれに倣ってしまいました。残念。
なんかこう、出だしで感じるゾクっとするような視線とか
リズムに乗った体の動きが後半になると薄れてしまって
もったいない選手だと思うんですよねー。
演技構成点も本当はあれ以上出る人だと思うんですよ。
とりあえず技術的に安定しないと本来の才能が開花しないと見た。
まあ、誰にでも言えることではありますが。
でも彼だってジュニアチャンプに二度なってるんですよ。
オッサン予備軍世代としてもっと開花してくれたら
バンクーバーがもっと面白くなると思うんですがね・・・がんばって!
○日本 ノブナリ・オダ
クワド来るか!? 来るかー!? と期待してたら
遠くで転倒していました(涙)でも認定されてよかったね!
それ以外は目立ったミスもなく、ミス続きの選手が多かった中
安心して見られたんですけど、よく考えたらコンビネーション一つ少ない。
A字スピンもやってくれて(←私たちには重要)、
彼の膝のすごさも改めて実感した・・・・のに、なんか印象が薄かったな。
今季彼の圧倒的存在感は全日本とNHK杯がピークだったかもしれない。
うーん、ワルソー・コンチェルトも悪いプログラムじゃないんだけど
人より聴覚的記憶力は(若干だけど)良い私が、全然メロディーを
口ずさめないということは(←普段は一度聞けば少しは覚えてるもんなんですが)
自分の中でそれほど印象に残らないプログラムということなのか。
確かに、悪いところは指摘できないけど、良いところも特に指摘できず。
あんまりローリーの路線と合わなかったのかなあ。
カナダにいたときの方がどのプログラムも印象的だったかも。
ううん、どこが足りないのかというと、個人的に彼には
メリハリの利いたエモーショナルなプログラムを期待してたのかなと。
でもクラシックの曲は彼にあってると思うんですよね。
ただ少しドラマチックな部分があった方が光るんじゃないかなーと。
それを考えるとSPの仮面舞踏会の方が好きかも。
あとエキシビジョンのトスカも!
とにかく来季はどう来るのか期待です。
何しろ、どんなプログラムで滑ってもオッサン世代には
かなり怖い存在には違いないわけですから。ビクビク。
○アメリカ エヴァン・ライサチェック
えー、細かい感想は恒例の後回しにします(苦笑)
でもせっかくだから、ここで一つ超どうでもよいエピソードを。
期待通り良い演技をしてくれて、スタオベしている最中に
私、投げ込み用の花を用意しておかなかったことを少し後悔してました。
ああ、何か投げたい。この感動を伝えたい。
いっそ、この日買ったアンモナイトの化石でも投げようかと
明らかに私が感極まったときにありがちな、
カオスな思考回路に陥っていました(苦笑)
でもそんなの投げられたら逆にライサが気の毒だと我に返ったので
そんなカオスなことはしないで済みました。ふう。危ないところだった。
私の(かろうじて残っていた)理性よ、グッジョブ。
でも本当にお花用意すればよかった。
あ、もちろんここでいうアンモナイトの化石は
私としては宝物に値するわけでして、
それを投げる=ブラボー!の意味ですよ? ホントだってば!!
○フランス ブライアン・ジュベール
さすがジュベたん、クワドあっさり決めてきたよ・・・
こりゃライサは抜かれるな。きっと次はクワドサルコーだもんな。
そう思った矢先にサルコー失敗、これはどうなるかわからんなと
冷や冷やしながら見てました。
うーん、結果的にワールドのようなガッカリなミスはなかったけど
点が伸びなかったのはスピンでレベルを取りこぼしまくったことにあるようです。
っていうかこのプログラム、最後にスピンを立て続けに
持ってきちゃってるんですね。うーん。
ワールドのときはアクセルの最後の失敗で動揺して
レベルを取りこぼしたんじゃないだろうかと思ってたんですが
どうもそういうわけじゃなさそう。
最後に連続してスピンってのは彼の性に合わなさそうだなと思う。
中盤である程度回って第一部終了、そして後半戦へっていう
流れの方が(去年のフリーみたいな感じ)取りこぼしがなさそうですが・・・
あとはクワドも決めて、二度のアクセルも決めて、
3-3も二回やってるのに、この報われなさは何だろう。フリーは3位かあ。
(主にスピンのせいなんですが・・・)
パトちゃんはアクセル成功してないのに2位ですよ。
私はライサイドだけれど、この報われない状況の中
高難度のジャンプを絶対に諦めないジュベたんは
すごくかっこいいと思う。尊敬もする。
つなぎの点の低さは、シーズン後半でプログラムを変えたツケと
もうちょっとジャッジにアピールできるつなぎじゃないと
なかなか点が出ないよっていうメッセージなんですかね。
まあライサもつなぎの点は今回は低かったわけですが。
うーん、今度は久々に無敵のジュベたんが見たくなってきた。
少なくとも本来は、クワド入れないライサやパトちゃんが
勝てる相手じゃないはずなんだ(今回はあまり点差がなかったけど)。
そりゃ全体的なまとめ方や魅せ方はライサが長けてるとはいえ
ジャンプは誰が見たってジュベたんに軍配が上がるんだからさ。
ライサイドにとってジュベたんってもっと遠い存在だったはずなんだ。
この採点の逆境に負けずに、またあの圧倒的な存在感を持って
試合に戻ってきて欲しいなと思いました。
あれ? なんで私ライサイドなのに、こんなにジュベたんに
肩入れしてるんだろう・・・・?
あー、きっと直で食らった投げキッスのせいだわ(苦笑)
ってな具合ですかね。
事前の予想よりも、ほとんどジュベたんとライサの試合っぽくなっちゃって
個人的に、どちらが勝ってもいいやって思ってはいたんですけど
蓋を開けてみたらこの結果。
ライサもジュベたんもパトちゃんも、ワールドメダリストそれぞれが
自分の課題を見つけにいったような試合になっちゃいましたね。
でもまたルールも変わるっていうし、
来季は来季で混戦模様になることには変わりなさそうですので
次の試合でそれぞれ成長したところが見られたらいいなと思います。
オリンピックシーズンだから、これが最後っていう選手が
たくさんいるでしょうし。それだけに、後悔のない練習をして欲しいなあ。
以上、やっつけな感想でした。
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