2011年4月29日金曜日

モスクワ世界フィギュア2011②

世界選手権、男子シングルが終了しました。


表彰台に立った選手の皆さんを心から祝福します!
同時に、出場した選手の皆さん全てに心からの拍手を送ります!


以下、まずはツッコミポイントから。


○ペアの放送があったけど、紹介VTRでダンスの映像が混じってた
○客席にスグリフミエが一瞬見えたような気がするんですけど気のせい?
 (※気のせいでした。失礼!)
○上位14名までが放送かと思いきや、アメリカ二人がすっ飛ばされていた
○今日映ったアメリカ人はドーンブッシュ君でした。あとフランクコーチも
○アメリカは2枠を獲得しました
○カナダはパトリックだけ突き抜けてしまって来年は2枠
○既婚者勢が勢いなかったですね
○タカヒコヅカの好演技にはしゃぐ久美子コーチが可愛い
○モロゾフは早くもエキサイトしすぎだと思う
○チームダイスケの手際早っ!!!!よく戻ってこれた。すげえよ。
○(ノブナリンの跳び過ぎについて)バーケル先生、あんまり怒らないでね
○何気にパトリックの技術点を越えているタカヒコヅカ。98点!?
○何気にタカヒコヅカのPCSに大差をつけているパトリック
ガチ様パネェ・・・


以上は私の独り言ですのでスルーして下さい。
以下、男子フリーの大まかな感想。ペアは結果が出てから書くつもり。


パトリック完全優勝でしたね~(でもフリーの技術点は上記通りタカヒコヅカが上)。
まあ今季の顔と言って差し支えない活躍をずっとしてきたし
あのスケーティングに安定した四回転が加われば勝てない方がおかしい。
むしろ、今までの四回転なしでの高得点を証明するために
勝たなきゃならなかった試合だと思う、彼にとっては。
もし惜しむべきことがあるとすれば、この舞台がバンクーバーでなかったこと。
今の実力に到達するのに一年遅かった、それが悔やまれる。
と同時に、昨シーズンと同じフリーを滑ることで
昨年に実現するはずだった夢を今日この日に描いているんだと思った。
それが非常に感動的で、胸にこみあげるものがありました。


タカヒコヅカの銀メダルはとても嬉しいです。
というか、今回ばかりは日本勢の誰かがメダルを持って帰らなきゃならなかったし
頼みの綱の他二人が奮わなかったこと、全日本優勝の看板を背負っていること、
色々なプレッシャーが多かった中で、あれだけのクリーンな演技をやれるのはすごい。
完璧、という点では今日は彼の演技がその言葉に最も相応しかった。
技術点がトップというのもすごいし(そしてすごい得点だ)、
PCSにまだ伸びしろがある、というのは今後もまだ期待できるってこと。
今のさわやか正統派路線でも悪くないんだけど、
ソチの頃にはもうちょっと別の表情が見られるかなって。
とにかく大きな試合での価値ある銀メダル、本当におめでとう!


ガチ様はさすがの銅メダル獲得でございました(←及び腰)
いやー、彼のコーチのミーシン先生も実におっかない方ですけど
彼自身もそうですね。恐ろしい。あの才能といい、冷徹な雰囲気といい。
管理人もスケートファンとしてそれなりの年月が過ぎていますが
ここ数年でこれほど心底怖さを感じた選手は初めてかもしれない。
単にジャンプの跳び方がプル氏そっくりとか、そういうことではなく
持って生まれた『何か』が既に頭角を表しているというか・・・。
プル氏にも他を圧倒するような怖い才能はあるんですけど
最近は茶目っ気がそれを上回ってしまっているからな(苦笑)
そしてプル氏とはまた違う雰囲気を持っているというか・・・
彼の銅メダル、これは多分序章に過ぎないと思う。
きっと、彼はこれから色んな試合のメダルやタイトルを獲っていくでしょうね。
ソチに向けて選手としてどんどん完成されていく過程の真っ只中にいる、
そういう選手が今回のワールドで3位になったということが興味深いです。
ひとまずロシアに枠を3つ回復させるのが次なる彼の役割ですかね。。。


ミハル君はスタミナ切れが惜しまれるほど、前半が最高でしたね~。
二種類の四回転をあれだけ綺麗に決められるとは。
それでいてスピード感あふれる洒落たプログラムの魅力もあり
今回は本当に価値ある経験を積んだなあという印象です。
二年連続の4位、でも強豪がまだたくさんいる中での4位。
昨年はまぐれじゃないぞ、ということが証明できたんじゃないかなと。
今後は最後の最後までスタミナを維持して、
プログラムの雰囲気を最後まで変えないように
戦略を練るなり、練習しまくるなりして向上を続けて欲しいです。


ダイスケの靴の件にはただ呆然としました。
スケート靴のビスが抜けた場面なんて初めて見たし、
まさかそれが試合で、それも世界選手権という舞台で起きるなんて・・・。
まず2分で戻れるのかと。それで冷や冷やしまくったし、
無事に戻ってこれて、それだけでもう安堵しまくったのは言うまでもない。
その後はこのアクシデントがあったことなど忘れさせる
集中したパフォーマンスだったけれど、ミスは防げなかった。
・・・んーーー、靴の件はもうしょうがない、何年もやっていれば
時にはそういうこともある、そう思うしか術がないんだけど
試合が終わった後のインタビューで彼が「もう一回やり直したいですね」って
言ったときの悲しげな笑顔が忘れられない。つらかったですね。
靴の件がなければ表彰台も可能だっただろうに。
うーーーーん、スケートの女神様(オネエかもしれないが)は厳しいですね。


ノブナリンの演技には感動したんですよ、私。
ジャンプをカウントしてなかったので・・・(苦笑)。
カウントしていたファンの皆様は「マイガッ!」という感じだったでしょうか。
4回転は入れられなかったとはいえ、彼の持つスケートの良さは
存分に発揮されていたと思うし、4回転はまた次の機会で、と思えば
この試合のキスクラは明るく・・・あれ?誰も笑ってない?
ああ、ジャンプ跳び過ぎちゃったんだ・・・という気持ちの過程を経て
今、何とも苦々しい思いです。んーーー、残念!
でも何度も言うけど、パフォーマンスそのものは感動的だった。
彼はクラシックが似合いますね。
それに今までの波乱万丈な選手生活を知っていれば
SPもフリーも好演技だったこと、それだけでもぐっと来るわけですよ。
ジャンプを跳び過ぎても得点は結構出ていたし
いつか跳び過ぎず、SPもフリーも好演技をやれば
きっと大きな試合で優勝する選手なんだと思います。
私はまだその日を待ちたい。ので、現役続行して欲しいですね。


フランス勢が7位、8位につけましたがアモディオ君はもう一歩。
おしりは絶好調なんですけど(笑)、あとモロゾフも(笑)。
ダンスを含むパフォーマンスは十分素晴らしいので、あとはスケートの部分で
他の選手にない魅力を感じさせてくれたら、もっと上に行けるのかなと。
そしてジュベたん、今回は8位で終わったもののフリーでは4位でした。
そして非常に感動的だった。私が見たいジュベたんだった。
衣装を洒落た青いものにして、少し若返ったように見えたし(おしりも)
彼が本来持っていて、忘れられていた正統派としてのクラシックな魅力、
それが彼のジャンプや表現に蘇っていたと思います。
途中で手が傷ついてしまって、最後のポーズとか若干適当でしたが
そこも彼らしいというか(笑)、それが彼の茶目っ気というか。
観客に「マダム&マドモアゼル、もっと俺に拍手を!」と
言わんばかりにノセてくれる、そういうところも実に彼らしい長所。
来年のワールドはフランスで母国開催になるので、
彼はまだ続けてくれると思っていますが、そこでも最高の演技を、と願っています。


アメリカ勢は放送されたのはドーンブッシュ君だけでしたが彼も好演技。
持っている力を出して、良い流れでシーズンを終えてくれましたね~!
あの通り、基礎が備わっている上で表現面が面白い選手ですので
今後もぜひ小芝居スケーターの超新星としてワールドの常連になってくれれば嬉しい。
オッサン勢の小芝居スケーターは長らく受難の時代が続いていましたが
彼は結構上に行けるんじゃないかと、そう期待しています。
アメリカの枠は減っちゃったけど、大丈夫、すぐ取り返せるよ!(多分!)


ベルネルは・・・彼もまだ安定しないんですけど
序盤に失敗したら絶望的になってしまっていた今までと比べると
ずいぶん底上げしてきたんじゃないかな、という印象でした。
年齢的に彼もオッサンロードを爆走中なんですけど
表現面は円熟味があるだけに、この円熟の少しだけでも
精神面に行ってくれよと思うこの頃です。


ハビエル君もかなりの好演技でしたね~。
パフォーマンスとしては相当魅せてくれる素質があるのだけど
スケート技術がそれに追いついていないのか、PCSが今ひとつ。
あれだけジャンプも跳べるのになあ、ステップも面白いのに。
その点では従来「つなぎが弱い」と言われ続けているモロゾフの門下だと
なかなか伸びづらいところはあるかもしれない。
まあモロゾフは(反応見る限りだと)今日も絶好調でしたけどね(笑)


デニス・テン君、髪を伸ばすとまた印象が違ってきますが
彼ってまだ17歳なのね・・・若っ!
(数年前パトリックにも同じこと言ったような)
今回はちょっとトリプルアクセルが鬼門だったみたいなんですけど
本来は4回転とかもやっちゃう選手ですし
何よりコーチが我らがフランク・キャロルですからね。
そして彼の尊敬するライサチェックもたまには顔を出してるだろうし。
実力を安定させるという意味でこの二人は最強なので
デニス君も背が伸びきった頃に安定して実力を出せるようになれば
大舞台で表彰台に上がれる選手だと思います。
しかしソチでもまだ20歳?若っ!


以上が放送を見た個別の感想で、残りは総合的な雑感を。


ルールの改定でますます誰が勝つかわからん競技になった、これが一番の感想かな。
そして勝つために肝心なのは四回転を決めた数ではなく、
総合的にどうか、ということが今もあまり変わってないという印象を受けた。
もちろん完璧にやるに越したことはない、ということも。
優勝したパトリック、2位のタカヒコヅカ、二人ともが
ミスをほんの最小限に抑えていることに注目したい。
四回転を成功させていることも重要っちゃ重要なんだけど
成功させた選手なら下位にでもいるからね。
でも改定でチャレンジする選手、成功させた選手が
一年でこれだけ増えたというのは頼もしいとも思う。
この改定が一年前でも良かったんじゃないかっていう気さえする。
でも回転不足に超厳しかった2年くらいの間に
選手の全体的なスケーティングスキルが高まったとも思うので
あれは必要な時代だったんだって私は解釈してるけどね。

今後も四回転必要論は男子フィギュアスケートの常識として語られるだろうし
挑戦する選手、習得していく選手はもっと増えるでしょう。
ただ全体的に選手間の底力が上がっていて、実力がますます拮抗してるので
これからも誰がワールドの表彰台に上がるのか、というのは
シーズン中に試合をこなしていかないとわからないんじゃないかなと。
少なくともいつも同じ人が勝つようなことにはならないのでは。
結局、「そのとき一番実力を出した選手が勝つ」という原則にのっとって
そのとき良かった人が勝つ。それでいいと思う。


まー、「四回転をやらなかった」オリンピック金メダリストの
ライサチェックのファンとしては、若干肩身が狭いですけどねー。
でも仕方ないよ、あれはああいうルール、ああいう時代だったもの。
だけど今回の試合で昨年のライサチェックの選手としての力を疑う要素はひとつもない。
だってバンクーバーオリンピックのときに、今回に出場した選手の誰一人として
それぞれの「今の」水準だった選手なんかいないんだから。
みんなが成長していく中で、今の選手と過去の試合の誰かを比べるなんてナンセンスだよ。


そんなライサイドとしてのぼやきもありますが、
とにかく一つの試合で色々起こりすぎて・・・・今年は「濃い」ワールドでした。
上記の通り、感想がここまで色々噴出するとは試合前には予想してなかった。
去年、一昨年、その前と、強く揺さぶられる要因が出場者の一部だったわけですが(笑)
今年はオリンピック並みに色々あったような気がする・・・
えーと、まだ男子の試合だけなんですが(苦笑)。
特に今日はペアもちょっと放送して、その結果、昨日みたいな
余計なクソ演出がなかったというラッキーなところも良かったですね。
女子シングルではそうはいかないと思いますが
思いのほか地上波でマトモに試合が見られて嬉しいです。


では今日はこんな感じで。

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