2010年1月16日土曜日

USA today(2010/1/16)

Lysacek's brilliant performance doesn't impress U.S. judges


A funny thing happened to the Americans in the women's skating competition at the 1992 Winter Olympic Games in Albertville: there was no U.S. judge on the panel for that event.
What looked like a curse actually became a blessing, however, when the Americans —Kristi Yamaguchi, Nancy Kerrigan and Tonya Harding— went 1-3-4.


1992年のアルベールビル冬季オリンピックの女子シングルの試合で、アメリカ人に奇妙なことが起こった。そのイベントのパネルにアメリカ人のジャッジがいなかったのだ。実際は、この呪いのような出来事は、アメリカのクリスティ・ヤマグチとナンシー・ケリガン、トーニャ・ハーディングがそれぞれ1位、3位、4位となったときに恩恵となった。

The joke that made the rounds in skating circles back then was that the result was no coincidence, that U.S. judges can be so harsh on U.S. skaters that it's sometimes better to not have one of your judges on an international panel.

スケートの試合で作られたこのジョークは、試合結果が偶然でなかったときに一周して戻ってくるものだ。アメリカのジャッジがアメリカのスケーターにとても厳しくなっているようなときや、国際試合のジャッジが一人もいない方がいい場合も同様だ。

Evan Lysacek knows the feeling. The reigning world champion and current Grand Prix Final winner skated almost flawlessly in the men's short program at the U.S. figure skating Olympic trials Friday night, his only mistake a step-out on his triple axel, and yet he ended up with what he said were his lowest component (artistic) scores in almost two years.

エヴァン・ライサチェックはこの感覚を知っている。金曜の夜の全米選手権の男子ショートプログラムにおいて、現世界チャンピオンでグランプリファイナル優勝者はほとんど完全に滑りきった。彼の唯一のミスはトリプルアクセルのステップアウトで、結局のところ彼がわかったのは、ここ約2年間で最も低い演技構成点だったことだと彼は言った。

While he has been getting mostly mid-to-high 8's all year (out of 10), his scores actually dipped into the 7's with some in the 6's here.

彼は一年を通してほぼ8点台後半を得てきたが、実際に得点は7点台に落ちていて、中には6点台もあった。

"You give the lowest marks of the year to your world champion who is the best hope to win the gold medal from the United States?" asked an incredulous Frank Carroll, Lysacek's coach. "Strange."

「あなたは自国の世界チャンピオンで、アメリカでの金メダルの最有力候補に一番低い点数を出しますか?」と、ライサチェックの疑い深いコーチ、フランク・キャロルは言った。「おかしいですね」

Lysacek ended up second with 83.69 total points to Jeremy Abbott, the winner of the short program with 87.85. (Abbott is certainly not chopped liver; he's the defending national champion, but doesn't have the international resume of Lysacek.)

ライサチェックは合計83.69で、ショートプログラムの勝者ジェレミー・アボットの87.85に次いで2位に落ち着いた。(アボットは確かに取るに足らない人物ではない。彼は前回の全米チャンピオンだ。しかしライサチェックのような国際試合の経歴は持っていない)

Johnny Weir was third with 83.51 points. Baring a major collapse, those three, in some order, will make up the men's U.S. Olympic team for next month's Vancouver Olympics. And any of the three could win the national title here.

ジョニー・ウィアーは83.51で3位だった。大きな失敗があっても、(スケート連盟からの)指令で彼ら三人が来月のバンクーバーオリンピックのチームとなるだろう。そしてこの三人の誰かがここで国内タイトルを勝ち取るのだ。

But skating is a numbers game nowadays, and a national championship is a way to lobby the international judges in the weeks before the Olympics. To that end, Lysacek's point total of 83.69 doesn't stack up particularly well against the heavily inflated scores of two of his top Olympic competitors, Russia's Evgeni Plushenko and Canada's Patrick Chan.

しかしスケートは現在においても多数派工作があり、国内選手権はオリンピック前の数週間に国際審判に働きかける手段なのだ。ライサチェックの合計83.69という得点は、オリンピックの競争相手であるロシアのエフゲニー・プルシェンコ、カナダのパトリック・チャンの二人の非常に誇張された得点には、うまく匹敵していない。

At Russia's recent national championships, Plushenko, the 2006 Olympic champion, received a whopping, and ridiculous, 100.09 points in the short program even though he stepped out of the landing of one of his triple jumps — similar to the mistake Lysacek made here.

最近のロシアの国内選手権で、2006年のオリンピックチャンピオンのプルシェンコは、ショートプログラムで1つジャンプがステップアウトしたにも関わらず(これはライサチェックが今回やらかしたミスと似ている)、べらぼうで馬鹿げた100.09という得点を受けた。

And on this same day, at the Canadian national championships, Chan, the current world silver medalist, put his hand down while landing a triple flip and also turned a planned triple-triple into a triple-double.

加えて、今日という同じ日にカナダの国内選手権で、現ワールド銀メダリストのチャンはトリプルフリップの着氷で片手をつき、予定していた3-3を3-2に変えた。

How wonderful was the gift the Canadian judges gave him? A 90.14. And all of his program component scores were in the 8's and 9's, save one 7.75.

カナダのジャッジが彼に差し出したプレゼントはどれだけ素晴らしかっただろう? 答えは90.14。そして彼の演技構成点は、一人の7.75を除いて全て8点台から9点台だったのだ。

Does all of this matter? The skaters still have to perform when the pressure is on in Vancouver, but when the judges get a number in mind for a skater's component scores — the old second mark, the highly variable artistic scores — it can be hard to shake them of that later. If Lysacek gets stuck with some 7's here, he might end up with 7's in Vancouver.

こういったこと全てはどうであろうか? スケーターたちはバンクーバーでおしりに火がつくときに演技しなければならない。しかしジャッジが一人のスケーターの演技点(昔で言うセカンドマーク、多様性のある芸術点)に多大に考慮したとき、あとでそれを振り払うのは困難になるだろう。もしライサチェックがここで7点台に行き詰ってしまえば、彼はバンクーバーでも7点台に終わってしまう。

"I was expecting 9's here," Lysacek said.

「僕はここでは9点台を期待していました」とライサチェック。

This is not sour grapes. It's called playing the game. Bottom line, does a country want to send off its skaters to the Olympics with a flourish, or not?

これは負け惜しみではない。オリンピックはゲームと呼ばれているのだ。最終的に、国はスケーター達をオリンピックに仰々しく送り出したいのではないのか?

"What they're doing with Chan, they're pushing him with the highest possible score," Carroll said. "In the United States, we are honest to our own detriment sometimes."

「彼ら(カナダのジャッジ)がチャンにしているのは、彼を最大級の得点でプッシュしているということです」とキャロルコーチ。「アメリカでは我々は時々、自分たちの不利益に対して正直になるのですよ」

2 件のコメント:

マイキー さんのコメント...

たくさんの記事を日本語訳してくださって、本当にどうもありがとうございます。楽しく、興味深く、読ませていただいております。
昨夜、Jスポでアメリカ男子SPをテレビ観戦しました。ハラハラドキドキしながら見たかったので、何の情報も入れずに見たのですが……ジョニーがあんまり漢前でかっこよくて、どうしようと思いました。恋してしまいそう(爆)。PCS、もっと出てもいいんじゃないですかねぇ。Transitionで3点台つけてるジャッジがいるんですよ!?信じられない!!5点台もいます……何がいけないんだろう……。
アボちゃんは、まさにパーフェクトな演技でしたね。素晴らしかった。見られて本当に幸せです。ありがとう、アボちゃん。フリーも頑張って!
エヴァンさんは、3Aの着地でヒヤっとしましたが、他は良かったし、トップのアボちゃんとさほど点差も開いてないし、わたしとしては満足いく結果だったので、この記事を読んで、少し驚きました。でも、キャロルコーチの言い分もわかります。USAのジャッジは、ロシアやカナダ、日本と比べ、本当に公平ですよね(苦笑)。実績云々より、その時、一番良い演技をした人に良い点数をつける、という感じ。まぁ本来ジャッジはどの国でもそうあるべきじゃないかと、個人的には思いますが。
明朝のフリーは早起きしてJスポの生放送を見ようと思うのですが、出勤時間を考えると、エヴァンさんとジョニー、アボちゃん3人とも、見られなさそうなんですよね…。どうしてよりによって3人ともそろって最終グループ後半に固まっちゃったんだ…(泣)。

Askarose さんのコメント...

マイキーさま:

もう少し前から記事が出るものと思っていたので、試合直前と最中に次々に出てしまって、時間と戦いながら訳していました。ところどころ、途中のままのところがあったりもして恥ずかしい限りですが、読んでいただいて嬉しいです。

先ほど私も書きましたが、ジョニーのプロトコルにはビックリでしたね。世界レベルで戦ってるシニアの選手に3点台・・・オリンピックにも出ている選手に3点台・・・!まだ5点台くらいなら笑ってスルーできますけど、3点台はいくらなんでも酷いなと思いました。うーん、ジョニーは国内の心証がよくないところがあるから、それが出てしまったかもしれませんね。

アボットくんは出て行く前まで死にそうな顔だったのが、終わった途端に喜びを爆発させて、見ていて嬉しかったです。本当に素晴らしい出来でした。これがまたオリンピックで見られたらいいな~、なんて思ってます。このまま全米ニ連覇のフラグも立ってきましたねー!

エヴァンさんに関しては、3Aのステップアウトが全てで、後は順当じゃないのかな?という感じはします。ステップアウトした瞬間は親がビックリするくらい声をあげちゃいました(苦笑)・・・にしても、全然インフレる気配がない全米ジャッジ・・・(笑)。ロシアとカナダ、日本とは良い意味で対照的ですよねえ。ただ国際試合で評価されていたところが、国内であまり評価されなくてエヴァンさん&フランクコーチとしてはちょっとガッカリしたところはあるかもしれません。さすがに9点台は期待しすぎだろうと思いますが(笑)。個人的には今回の採点で全米ジャッジに好印象を持ちましたね。全日本ももうちょっと自重してくれれば、大きな国際試合で選手たちがコケたり点数があまり出なくても、それほどガッカリしなくて済むのに(苦笑)国際試合と同じくらいの点数がつけられるのが個人的には理想ですね。

明日の全米は私はちょうど会社で後半グループを見ることになります。いいときに仕事が立て込んだり、邪魔な上司が早く出勤してこなきゃいいなーとか念じてます。しかし、うまいこと3人固まってくれて・・・アメリカではそのときだけ視聴率上がりそうですよね~・・・!

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