2010年2月5日金曜日

USA today(2010/2/1) - Lysacek pumps up artistry with new costumes, music, verve ③

USA todayの記事、第三回目です。
ヴェラさんの視点からの話はなかなか興味深い。


Moving with the music

In Los Angeles, where he trains with Carroll, he also worked with prima ballerina Galina Barinova. He has studied with Barinova in the past but this was the first time he trained with her on the ice. "She had her work cut out for her," he says.

彼がキャロルコーチと練習しているロサンゼルスにおいて、ライサチェックはプリマ・バレリーナのガリーナ・バリノワとも作業に取り組んだ。彼は過去にバリノワに学んだことがあるが、彼女と氷上で練習するのはこれが初めてであった。彼曰く「彼女はこれまで厄介な仕事がたくさんあったんです」とのことだ。

The boy who once wanted to be a hockey player, who was once known primarily for his athleticism, who seemingly has a five-o'clock shadow all hours of the day, embraced his inner artist. At 6-2, his long, lean limbs began to move with the notes.

かつてはアイスホッケー選手になりたいと思っていて、よりアスリートらしい性質で知られ、一見したところ一日中髭の濃い青年は、彼の内面にある芸術性を受け入れた。6フィート2インチの彼の長く、痩せた四肢は音楽と共に動き始めたのだ。

"You see people just skate to music. They don't get into any story line or what they're trying to portray. They just skate and jump," Carroll says. "When Evan skates, you get into the emotional part."

「おわかりかと思いますが、選手達は単純に音楽に合わせて滑っているだけです。彼らは物語の筋書きや、表現しようとしているものに入り込んだりはしません。単純に滑ってジャンプしているだけです」とキャロルは言う。「エヴァンが滑っているときは、見ている人は感動的な領域に入り込めると思いますよ」

A skater's costume — Hamilton likes to call it "performance attire" — should complete the artistic presentation. Wang's designs did just that. When the two put on their skates at Chelsea Piers in New York City last fall, Wang, once a standout junior skater, saw how Lysacek had changed. "I've known Evan for a while," Wang says. "I always thought he was incredible athlete and competitor. What struck me is that he seemed to have a different voice as a skater when we were at the rink. He moved from being a competitive athlete to demanding more of himself artistically and creatively."

スケーターのコスチューム(ハミルトンはそれを『パフォーマンス衣装』と呼ぶのを好んでいる)は、芸術的な外観を整えているべきである。ウォンのデザインはまさにそうなっていた。昨年の秋に、ニューヨークにあるチェルシー・ピアーズで、二人がスケート靴を履いたとき、かつて素晴らしいジュニアスケーターだったウォンは、ライサチェックがどれだけ変わったかを目の当たりにした。「長い間エヴァンのことは知っていたけど、彼は素晴らしいアスリートであり、競技者だといつも思っていたわ。私が感動したのは、私たちがリンクにいたとき、彼は一人のスケーターとして異なる意見を持っていたことね。彼は競争好きなアスリートから、より芸術的で創造性を要求する人物へと変化したの」

On the ice that day, Lysacek says Wang helped him find the emotion in the music, especially when he performed his long program to Rimsky-Korsakov's Scheherazade, a story of a king who kills his favorite wife after finding her in the arms of a slave.

ある日、氷上でライサチェックはウォンに音楽の中にある感情を見つけるのを手伝ってもらったと言っていた。特に、最愛の妻が奴隷の腕に抱かれているのを見つけて彼女を殺してしまう王様の物語、リムスキー=コルサコフ作曲「シェヘラザード」においては助けられたという。

"I said to him, 'You're trying to kill me. It's about a prince and slave?' " Wang says. " 'Dammit! Two diametric opposites.' " In her studio, Wang and her assistants draped Lysacek with different fabrics for eight hours. For one of his costumes, she selected silk blended with Lycra, a fabric typically used for evening wear because of its weightlessness.

「私は彼にこう言ったわ。『あなた、私を殺す気なのね! 王子と奴隷ですって!?』『参ったわ、正反対の二人じゃない』ってね」とウォンは言った。彼女のスタジオで、ウォンと彼女のアシスタント達は8時間に渡って、ライサチェックに様々な布をまとわせた。彼女は彼の衣装の一つに、ふわっとしていて一般的には夜会服に使われるライクラ(合成繊維)が混入されたシルクを選んだ。

"When I saw the costumes, I had to really interpret them," he says. "They were like pieces of modern art."

「出来上がった衣装を見たとき、僕はそれらを真剣に解釈しなくてはいけませんでした」と彼は言う。「それらはモダンアートの一部のようだったのです」

Wang designed five black costumes for both his long and short programs. His costume for Firebird featured another leap out of his comfort zone: feathers.

ウォンは彼のショートとフリー、両方のために5つもの黒い衣装をデザインした。彼の火の鳥の衣装は、彼の無難な領域から逸脱した、変わった特徴を持っていた。羽である。

"I did not want to be loud and Ice Capade-ish. I wanted it to be all about lines. I was thinking of modern dance when I did these costumes," Wang says. In one, feathers, created by a house in Paris that does handwork, drapes over his wrists to subtly invoke a condor or an eagle. "Something princely, presidential, something powerful," she says.

「私はけばけばしいアイス・カペードみたいにはなりたくなかったの。衣装をシルエットのようにしたいというのが全てだったわ。私がこれらの衣装を作ったとき、モダンダンスのことを考えていたの」とウォンは言う。そのうちの一つ、彼の手首を覆っている、それとなくコンドルや鷲を思わせる羽はパリの手仕事をする家で作られた。彼女が言うには「どこか王子や大統領みたいで、強そうでしょう?」とのことだ。

Four years ago, he was fourth in the Torino Games. If Lysacek finishes on the top step of the podium in Vancouver, he can trace that accomplishment back to the world championships last March. Winning the world title enabled him to be comfortable in his own skin, he says. It renewed his confidence, revitalized his love for skating, justified all the hours he's worked the last 15 years and challenged him to do more.

4年前、トリノオリンピックで彼は4位に終わった。もしライサチェックがバンクーバーで表彰台のトップに終わったら、彼はその偉業を昨年の3月の世界選手権に戻って辿ることができるだろう。世界選手権での優勝によって、自分のあるがままの状態に満足できるようになったと彼は言う。それによって彼は自信を取り戻し、スケートへの愛情を回復させ、今まで取り組んできた15年間という時間が全て正しかったのだと証明した。そして、さらにもっとやってみようと彼の意欲をかきたてたのだ。

"I don't have to prove anything to anyone," Lysacek says. "I can stretch outside of my comfort zone, and if it works out, awesome. And I feel like it has so far."

「僕はもう誰に対しても、証明しなければならないことは何一つありません」とライサチェック。「自分の無難な範囲外でも精一杯やれます。もしそれがうまくいったら、素晴らしいはずです。今のところはそうなっていると思いますよ」

So does that mean he'll wear feathers in Vancouver?

ということは、彼はバンクーバーでも羽の衣装を着るのだろうか?

"We'll see," he says, smiling. "There has to be some of me still there."

「それはどうでしょう?」彼は笑顔で言った。「まだ僕らしさが足りないかな」


おしまい


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(以下、訳し終わった雑感)

今まで出てこなかった話が複数あったので
なるほどと思いながら訳していました。
SPはスペイン系の曲が最初の候補だったのかあ~、
お披露目されなかったのがちょっと残念。
でも火の鳥にして結果的に正解だったと思うし
ローリーさんは良い選択をしてくれましたね。

それにしても・・・ヴェラさん、やっぱりシェヘラザードの
衣装に関しては大変だったんだなあ~としみじみ。
試行錯誤した結果がスケスケであり、蛇であり、
謎タートルネックなわけですよ。
スケスケの段階で「君のフリーの衣装はやらしいと思う」とか
言ってごめんよライサ・・・。苦労の果てがアレだったなら
「僕は気に入ってるんだ!」ってフォローした理由がよくわかる。
しかし選手本人が解釈に困る衣装ってのもすごい。
ああもう、ヴェラさんの苦労を思えば何でも良くなってきた(笑)
そして火の鳥、こちらもどうなるやら。
エヴァンさんがいう「僕らしさ」って何だろう・・・、
USAのロゴとか? 蝶ネクタイとか?(笑)

ともあれ、わりとマトモな記事だったので安心しました。
この後、他にも訳すべきものがたくさんありますので
次はどんな内容か冷や冷やですが、お楽しみに!

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