2009年4月19日日曜日

国別対抗 女子FS

(この記事は2009年4月24日に書いています)

女子フリーの感想をちょっとだけ。


○フランス グウェンドリン・ディディエ
普段の彼女がどんな成績なのかは全然チェックしてないけど
今回の出来が彼女の中で良い方だったというのは何となくわかる。
ジャンプをどうにか、一つ一つ着氷させていくたびに
彼女が感極まってるのが遠くの席からでも伝わってきた。
回転不足があったり、演技構成点が伸びなかったりで
世界で戦うには厳しい得点が出ていたけれども
それ以上の、彼女のスケートに対する気持ちが伝わってきて
会場からも暖かい拍手が送られてました。
あ、シーズンベストだったんだ。
フランス応援団もおおはしゃぎでした。


○ロシア カタリナ・ゲルボルト
彼女はとっても美人さんだけど着ている衣装は、
なんていうかロシアですよね、ロシアセンス(苦笑)
それはともかく、前に滑ったグウェンドリンが良かったのと対照的に
彼女はジャンプでミスが続きました。3回転倒。
せっかくルッツを二回入れられるのになあ・・・
プログラムの難易度が彼女にとってキツイのか、
GOEで下げられまくりの技術点を見ると切なくなってきた。
うーん、まだ若いし試合によって出来不出来の波が激しい時期なんだろう。
次に見られるときは成長した姿を見られるのを期待してます。


○中国 リュウ・エン
彼女もジャンプをほとんどこなしました。
序盤のジャンプがスイスイ決まるのを見て
結構いけそうだな・・・と嬉しくなってしまった。
ジャンプが決まると彼女のやわらかい雰囲気が引き立っていいですね。
スピンで点が稼げなかったようですが
そこを強化すれば普通に100点台が出せるようになる選手だと思います。


○フランス キャンディス・ディディエ
フランス応援団、再びおおはしゃぎ(笑)
彼女も序盤のジャンプは立て続けに成功させました。
なんだろう、あのフランス応援団のうるさい声援(笑)が
リラックスさせてくれたんですかね。
中盤にミスが出てしまったとはいえ
グランプリシリーズで見たときよりは
ずいぶん落ち着いて見られるようになったような気が。
この細さと身長の高さが、フィギュア選手として見るには
やや不安にさせてしまうんですよね、どうしても。
ヨーロッパ選手権でも健闘したというし
安定感が加われば持ち前のエレガントな雰囲気が生きてくるはず。
がんばってフランス女子のレベルをあげてください(苦笑)


○中国 キョ・ヒンシュ
何気に2A+3Tを成功させて驚いた。
ジャンプ構成を見る感じだとトウループが得意なんでしょうね。
彼女も思ったより健闘したかと思ったんですけど得点伸びず。
嗚呼ダウングレード。←これさえなければもっと上にいける選手かと。


○カナダ シンシア・ファヌフ
彼女は振るわなかったですね。残念。
どうにもジャンプが噛みあわない様子で。
あと最後のスピンはノーカウントだったらしい。
うーん、せっかくのエキゾチックでアマゾネスな雰囲気も
ジャンプが決まらないことには引き立たないんだなこれが。
カナダ勢の中でもしかすると一番リカバリができなかったかも。
来季は失敗しても他で取り返すように挑んで欲しいなと思った。


○ロシア アリョーナ・レオノワ
フランス応援団に感化されたロシア応援団が
今度は騒ぎ出す(笑)
彼女は今回SPもFSも良かったですね。
終始元気な彼女の姿が見られて嬉しかったです。
どんな曲を滑っても元気いっぱいなのは、それはそれでいいや(苦笑)


○アメリカ レイチェル・フラット
アメリカ応援団は大声はあんまりあげないくせに
見た目(格好)は飛びぬけておかしなことになってました。
レイチェルはそれに適度に加わってたし
そういう雰囲気を楽しんでいるように見えたので
それはそれでプラスに働いたに違いない。
とにかく良い出来だった。3-3をやってくれたのも嬉しかったし
客席としては一見ノーミスなので嬉しくって。
思ったより点が出なかった、でも良かったねと言える演技でした。
プログラムはワールドのときと同じく、前シーズンのものだけど
今シーズンのドビュッシーもわりと好きだったんだぜ。
年相応の可憐さと可愛らしさ、でも子供っぽくない感じは
非常に魅力的に見えました。このところ安定して見られるし
順当にいけばバンクーバーに出られそう・・・?
っていうか最近のアメリカ女子は好不調の波が激しいのよ(涙)


○アメリカ キャロライン・ジャン
レイチェルの出来が良くて大喜びのアメリカ応援団、
ここにきてテンションが最高潮と見た(笑)
キャロライン、生で見ると本当に小さくて
可愛がられてそうだなーという感じ。まさに小動物。
その彼女が3-3を突然やってくれました。
しかもダウングレードされてなかった!
個人的に彼女はダウングレードされやすそうなタイプだと思ってたから
点数がレイチェルを上回ったときは驚いたけど
最後のパールスピンとかGOEが全部3ついてるし(!)
質よくまとめてきたんですね。
レイチェルより早くシニアデビューした意地を見せたか。
でも演技構成点はレイチェルの方が上なんですね。
しかし彼女も見た目の幼さのわりに、気品があって優雅な雰囲気を
持っている(と思う)ので、今後楽しみですよ!
バンクーバーに出てきたらダークフォースとして
日本勢のメディアに注目されそうだな、と。
で、彼女が滑り終わった段階でアメリカの優勝が決まったようで
アメリカ勢はその後リラックスして後に続く人の演技を見てました。


○日本 ミキ・アンドウ
わりと近くで派手に転倒したので、もうビックリというか
本当に痛そうな転び方をしてました。大丈夫だったのか。
その後は淡々とやってたけど、こっちは気が気でなかった。
・・・で、転んだことを差し引いても、
SPと比べてこのFSって、なんかつなぎが物足りない。
途中で変えたプログラムだから作りこみがあまりできてない分、
表情とか一つ一つの仕草を効果的に使うことで引き立つのかな。
とりあえず今回は、あの派手な転倒があったこともあって
ワールドのような良い演技にならなかったのが残念。
でも試合全体はリラックスして挑めたようで何より。
あ、あとモロゾファントムの姿勢はSPのときよりは
気にならなかったよ(笑)


○カナダ ジョアニー・ロシェット
わーい、ロシェットのアランフェスだ~♪
いきなり序盤のジャンプでミスが出ても雰囲気は失わず。
すっかり貫禄つきましたね、ロシェットは。
この試合では音楽表現が一番良かったのがロシェットだと思う。
あと、つなぎもいいんですよね、このプログラム。
むしろ来季もこれで滑って欲しいって思うくらい。
何より、音楽のいいところでのスパイラルにウットリ。
何気にシークエンスで3T+3Sとか成功させてくるし
点を稼ぐには効率のよい取り組み方をしてますね。
それと、テレビで「今シーズンはマオに3勝」というアオリを見て、
なんだかキム・ユナよりロシェットの方が強敵に見えてきた(笑)
バンクーバーで日本勢にとって怖い存在になりますが
個人的にはワールドメダリストになってくれて嬉しかったし
オリンピックでも順当にいけばメダリストになると思いますぜ。


○日本 マオ・アサダ
よーく見ると日本応援団も、それなりにノリノリで
ひょっとこのお面つけたり、鉢巻巻いたりしてるんだけど
フランスやロシアの騒がしさ、アメリカの馬鹿さ加減と比べたら地味な方。
だけどほのぼのしてて可愛かったですよ、日本勢は。
マオちゃんも終始楽しそうにしてた。
そういえば彼女は日本での試合では大体無敵だよなーなんて思って
今大会を見ておりましたが・・・
一発目のアクセルが成功したら、多分大丈夫という、
そういう空気が会場にもあったかな(笑)
二発目はダメ押しみたいな感じ。でもダウングレードだったんですね。
でもその二つのジャンプだけで十分すぎるくらいの満足感。なんなんだ(苦笑)
その後も美脚スパイラルとか超人スピンとか鬼ステップとか続いたわけですが
なんだかんだでジャンプが中心のプログラムという印象は変わらない。
要素の間のつなぎの部分とか、次の動きに入るための準備動作にしか見えないし
特に何かを表現するのは捨てたんだな、と感じた。
とりあえず音楽のタイミングで要素をやってる感じ。
それはそれで当初と比べてずいぶん見易くはなった。
ああでも、SPでの良い表現を見てしまったら
FSでもやれるんじゃないかって思ってしまうんだ。
このプログラム、彼女の運動能力や技術力を証明するには
持って来いのものなんでしょうが、
彼女が持ってる表現の芽を摘んでしまってて
とってももったいないと思う。
そりゃあ、他の選手と比べてただ滑ってるだけ、
決められたとおりに動くだけでもキレイに見えるし
そう見せるための努力も人一倍やってるんだろうけども。
彼女は、ただ滑ってジャンプしてっていう一連の動作を
「こなす」だけの選手じゃないと思うんだぜ。
本来は「音楽の流れ」とか「雰囲気」を表面だけじゃなく
内面からも滲み出るような表現ができる才能があるじゃないかと
あのSPを見て感じたんですよ。
この仮面舞踏会は、なんか彼女のハードな部分ばかり際立ってて
本来持ってるソフトなところが見えないのが寂しい。
で、来季はタラソワ先生オンリーにするというじゃないですか。
うーん、だったらSPとフリーでタイプの違うものをやるとか
色々工夫を見せて欲しいですが、どうなることやら。


こんな感じで、女子シングルはマオ'sショー的な
雰囲気が事前にあったわりには
他の選手の健闘もあってそこそこ楽しめました。
でもこの日一番面白かったのは、やっぱりアメリカ応援団でしょう(苦笑)
試合中、気づいたら仮装大会になってたのはアメリカチームだけだぜ。

以上、適当な感想をまとめました。

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