新聞の報道には比較的敏感なわりに
雑誌については情報がとても遅い当ブログへ、本日もようこそ!(笑)
新書館から発売されている「バンクーバー五輪フィギュアスケート」を
昨日ようやく入手しました。普通に最寄りの書店に売れ残ってたぜ!
日本のスケート関係のライターがライサチェックの五輪優勝を
あまり歓迎してない記事を書いている現状を思うと、正直、
この本を買うことには躊躇いもありました。
が、「自分の贔屓が優勝したときのオリンピック関係の本を
ここでスルーしてしまったら、今は良くても10年後くらいに
絶対後悔する!!」と思ったので、記事の論調はどうあれ
やはり買うべきだという結論になったわけです。
インタビューに関しては北米メディアのものがネット上にあるし
このブログで自分で翻訳したものも多いけれど
10年後にどちらを読み返すかっていえば、
やはりきれいな写真がある紙媒体だな、と。
逆に言うと、きれいな写真がたくさん掲載されていなかったら
「別に買わなくてもいいや」って思っていたかもしれない。
以下、この本に関する所感を要点ごとにピックアップ。
一応ネタバレしないように気をつけてみます。
○エヴァンさんについてはまあまあ。
金メダリスト需要ということで、良い写真がたくさんありました。
田村さんによる単独インタビューに関しては「フツー」。
彼を気遣っているようで若干意地が悪いなと思う質問もあったけど
彼ははっきりと自分の考えや状況を述べていたし。
どちらかというと記者会見のときのコメント全般の方が
興味深かったというのはあるかも。
私は記者会見については動画を一部しか見ていなかったし
日本ではあの通り、プルさんの発言ばっかりピックアップされて
エヴァンさんはそれに反論したところくらいしか出なかったしね。
というわけで未読の方はそれなりに読み応えがあるかと思います。
ちなみに本の帯がエキシビジョンのページに挟んであったんですが
ちょうど帯の部分にエヴァンさんの写真があったために
一瞬「エヴァンさんのEXの写真がない!優勝者なのに!」と
思わず探してしまった・・・(苦笑)
帯のかかる部分に写真が配置されるとは、さすがエヴァンさん。
相変わらずの空気っぷりに笑ってしまった。
○全体的に男子に比重が置かれている
私は男子シングルを重点的に見ているので
男子選手へのインタビューが多いのは嬉しいですが
この本そのものが全体的に男子に偏っていて、それはそれで
どうなのだろうかと少し思う。
女子シングルについてはオリンピック終盤だったから
単独インタビューの時間が取れない事情があったかもしれないけど。
ペア、ダンスについては普段のWFSよりも扱いが軽く感じられた。
個人的には値段があと1000円高くなってもいいから
もう少し男子以外の部分を充実させてほしかった。
○田村さんの言いたい放題コラム
男子シングルについては「4回転の意義」「疑惑のEメール」について
Numberで掲載されていた内容とほぼ同じものが掲載されています。
さすがにwebに載っていたものよりは書き方が抑えられているけれど
言っていることはほぼ同じ。「ライサチェックが優勝しちゃうような
今の採点方法はどうなのよ」的な論調が繰り広げられております。
ただ、この雑誌では一応「彼(ライサ)も被害者だ」と
フォローしてはいるんですが・・・私はそんなフォローはいらない(苦笑)。
自分で貶めるような記事書いておいて、それはないでしょう。
あなたの書いた記事で、どれだけの人がミスリードされて、
どれだけの人が傷ついたとお考えですか、と問い正したいくらい。
あくまで自分の立場を守るための注意書きのようにしか見えない。
で、彼女、今回のバンクーバーに関しても本を出す
(もう出てる?)らしいじゃないですか。
それを売るためにスケートファンの多くが見るであろうこの雑誌に
こういうコラムを載せているのかと思うと腹立たしい。
一方でアイスダンスのアボリジニダンス問題についてなんかは
わりと冷静で客観的なことを述べているだけに、複雑。
長年追ってきた男子シングルについて並々ならぬ情熱と
思い入れがあるのはわかるけれど、一般的に売り出される雑誌には
あまり個人的な観点で書くべきじゃないと思うけどね・・・!
○何気に女子シングルの扱いはテキトーじゃないか?
この頃になって気がついたんですが、今、まともに
フィギュアスケート女子シングルを楽しもうとすると
意外と選手を幅広く網羅した本や雑誌、コラムが少なく
出てくるのは日本人選手の情報ばかり、といった状況がありますね。
この本においては、一応全体レビューと浅田選手への
単独インタビューなどはありますが、そんなに読みごたえもなく
言わば「フツー」の扱い。いえ、WFS全体が特に女子に
こだわってるわけではないので、それで良いのかもしれない。
ただ、他のフィギュア雑誌でも「女子シングル」全体に
特化したものが特に見当たらないし、インタビューにしても
大きなものは浅田選手のみ、となると他の媒体とそんなに
違わないのでは? 専門誌としては、もうちょっと何とか
ならなかったのかなーという感じがあります。
あるいは、スケートファン全体において女子シングルのファン層は
実はそんなに多くないのだろうか?という疑問も。
どちらかというと「浅田真央」「安藤美姫」「キム・ユナ」など
個々人に焦点があてられるあまり、ファン層も個人に特化し、
「女子シングル」全体に興味のある層は逆に少ないということ・・・?
そういった世間の需要がちょっと悲しい。
○わりと女子シングルの結果については冷静な点
男子の方で田村さんがさんざん4回転論争を繰り広げた一方で
女子においての得点に関してのレビューの論調はかなり冷静で
ずいぶん本としてアンバランスになってる気が。
どちらかというと後者が本来のWFSの視点なので
その論調にはそれほどの違和感は感じなかったけど
同じ誌面において、男子と女子でこうも温度差を見せつけられては
まさに「ライサイドは悲しみ損」というか(苦笑)。
女子シングルについては深く言及しない方がいいという
大人の事情があるかもしれないけど、だったら男子シングルは
それがないから何を書いてもいいのかよ、と。
あーあ、エヴァンさん可哀想ー!
なんで優勝したのに、こんなに哀れまなきゃならないんでしょうね(苦笑)
・・・ああ、なるべく愚痴にならないように気をつけたけど
後半はほとんど愚痴になってしまってますねー、ごめんなさい!
ひとまず未読の方に、少しでも参考になればと思います。
あ、重ねて言うけどエヴァンさんの写真はかなり良いです。
男前の顔立ちもくっきり。蛇衣装もくっきり(笑)。
演技中のスタイルの良さが光るものもあり、
それだけでも私には買った価値があるかなと思いました。
2 件のコメント:
今さらコメントしてみます。
ウザくてすいません(笑)
私も全体的にモニョモニョ…
何より殺人的なスケジュールの中、仕事としてさして旨みのない日本にマイナー雑誌のためにインタビューの時間割いてくれた五輪金メダリストってWFS誌の歴史の中でも極稀と思うのですが…
それも他ならぬ田村さんのためならばと思ったんだろうなあと思うとエヴァンさんがかわいそうでなりません(涙)
でも逆にスッキリした面もあります。
私、どうやらライターとしての田村さんを過大評価してたかな~と思いました(苦笑)
「キスクラで落ち込む中国ペアが写ってるのに地元カナダペアの優勝を喜ぶカナダ人にはなんという無神経なのかと義憤にかられたものだが…」
それは喜ぶでしょ普通!(笑)
他国の選手に気を使って大喜び禁止マナーとか聞いたこと無いですよ!
それ義憤じゃなくて私憤ですよー!
あと「4年後のソチ五輪で北米がどんなイチャモンつけてくるか今からウンザリ」
ここは最早ただの誹謗中傷レベル…
「プーチンがコメントしたことで以外とロシアは政治的印象操作に慣れてないと思った」
政治家がスポーツの結果を一方的に覆すような発言が非難されるのは当たり前であって印象操作云々の問題では無いでしょ…
…陰謀ありきでしかものを考えられなくて終わらない冷戦をいつまでもやってるのは何より田村さん自身なのでは…
もうこの人の言うことは全て真面目に受け取らなくてもいいよね…と思いました(苦笑)
あの本はエヴァンのイケメンっぷりを楽しむための本だということでOK!でしょう。
愚痴すいません…
mayukoさま:
遅い返信になってしまってごめんなさい。とはいえ、コメントありがとうございます!こんな記事にも寄せていただいて嬉しいです。
ご指摘の通り、この誌面でインタビューが掲載された唯一の金メダリストなんですよね。自国でもないのに、多忙な中時間を割いてくれたっていうのに、その後他の記事であんな書き方をするとは何て無礼な人なのだろうとため息が出ます。ああ、エヴァンさん可哀相・・・!悔しいですね、こんな人のために彼が貴重な時間を割いたのかと思うと。
と同時に、今回の騒動で田村さんという方が他の競技について全然詳しくもなければ、特に見てもいないんだなということがよくわかりました。(まあ、年中スケート事情を追いかけていると他の競技を見てる暇なんてないでしょうが・・・)
おっしゃるように、どの競技でもライバルがコケちゃったり、自分のチームの優勝が決まれば思わず相手のミスを喜んでしまう、なんてのは良くある話です。褒められた行為ではないですけどね(苦笑)。他のスポーツなら観客だって相手チームに野次を飛ばしたりしますし、その点ではフィギュアスケートは選手も観客もお行儀のいい競技ですけど、田村さんはそれにどっぷり漬かり過ぎてるな、と。4年後のソチでは北米がイチャモンをつけること前提で書いてますし(仮にイチャモンをつけたところで結果が覆るとは思えませんが・・・だって開催国ロシアですし)、フィギュアスケートを取材する人の中ではまともな人だと思っていましたけど、結局彼女も井の中の蛙、今回は自分の世界でしか記事が書けていないと思いました。それだけどっぷり漬かるほど、この競技の男子シングルが好きだったのでしょうけれど。。。
そういうわけでソチまでの四年間に、彼女がどんな記事を書いていくのかある意味面白そうですが(笑)、個人的には二度と真面目に読むことはないだろうと思います。エヴァンが彼女に取材されることも、今後少なくなるでしょうしね・・・
やはりこの本は写真を楽しむのがベストですね! にしてもエヴァンに関しては本当に良い写真ばかりで大助かりです♪
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